ミュージシャン・インタビュー

第5回 シンガーソングライター 千綿偉功(ちわたひでのり)さん

<プロフィール>
佐賀県佐賀市出身。物心ついた時にはすでに"うたうことが大好き"だった。1993年、ヤマハ 2nd ミュージッククエスト世界大会でグランプリ受賞。翌1994年3月、ユニット『CHASE』としてメジャーデビュー。その後、1998年にソロデビューし、1999年の夏から本格的に弾き語りライブを始める。2000年5月。渋谷nestにてソロ初ワンマン。シングル、アルバムのリリースを重ねるとともに、全国各地で精力的にライブ活動を展開していく。2006年の夏から数ヶ月の充電期間を経て、2007年8月に活動再開第1弾シングル『君色の風〜想(おもい)〜』、2008年2月8日にはダブルA面マキシシングル『beginning / 道化師のソネット』をリリース。

<千綿偉功オフィシャルHP>
http://www.chiwata.net/

 

 

毎日の生活の中でふと目的を見失う瞬間、でも人間一人になれない

Q.2枚目にして「始まり」を意味する『beginning』というタイトルにされた理由は・・?
A.音楽活動を休止していた数ヶ月間、ミュージシャンとして以前に、人としてどうありたいのか、どうなりたいのか、どうして歌いたいのか、といった、とてもシンプルで根源的なことをずっと考えていました。そしてやっぱり、1対1の関係、例えば自分と家族であったり、自分とファンの方であったり−−−を大切にしたいということを強く思いました。これがすべての始まりだと思ったんです。活動を再開するという意味の「始まり」よりも、そういった意味での『beginning』です。

Q.休止されている間はどんなことをされていたのですか?
A.音楽に関係することは一切しませんでした。休止する以前から、ライブ活動やキャンペーンなどに協力してくださる方はいましたし、周囲の状況は決して悪くなかったにもかかわらず、です。21歳でデビューして、何も分からずずっと走り続けてきて、気が付くと上手に呼吸する方法を忘れていたんですね。吐き出すばかりでちゃんと吸い込むことをしていなかった。自分の中に何も残っていなかったんです。まさに『beginning』の歌詞そのまま、"カラ回る情熱は行き場をなくし 気が付けば明日まで見失っていた〜♪"という状態でした。だから、自分から音楽をしたくなるまでは、一切しないでおこうと。
一人旅とかしましたよ。バックパック1つ背負って、石垣島や波照間島にふらりと出かけたり。徒歩で石垣島を一周してやる!なんて無謀な挑戦もしました。現地の友人に途中で止められましたけど(笑)波照間島では宿泊の予約もせず行き当たりばったりだったので、泊まるところがなくフェリー乗り場で寝ていて警備のおじさんに注意されたりもしました。一人になりたいと思って旅に出たのに、人間は本当に一人なることなんてできないんだなと感じましたね。有難いことに、どこかで誰かとつながっているんです。
そんなある日、突然ものすごい数の曲が空から降ってくるように生まれるのを感じたんです。歌いたいと思える曲が、どんどん湧いてきたんです。

Q.そして2007年春から活動を再開されたんですね。
A.第1弾シングルの『君色の風〜想(おもい)〜』は僕の故郷の佐賀で開催された「2007 青春・佐賀総体」"高校生一人一役活動"のテーマ曲です。一般の高校生が作った詩に曲をつけて下さい、という依頼だったので、はじめは自分で歌うことになるとは思っていませんでした。でも総体が終わった後、問合せが相次ぎ、千綿偉功が歌うバージョンとしてCD化することになったんです。

Q.それから約半年後、『beginning / 道化師のソネット』をリリースされました。1曲目の『beginning』は映画の挿入歌に決定しているそうですが、これはどういった経緯で決まったのでしょうか?
A.映画用に作ったわけではなく、以前より面識のあったプロデューサーの方から、今春公開予定の映画「赤ちゃんに乾杯」で使いたいと言っていただいたんです。

☆さだまさしさんの『道化師のソネット』 テーマに心打たれカバーリング

Q.2006年にも映画「夜のピクニック」(長澤雅彦監督)にオリジナル曲が挿入歌として使われていますよね。映画監督にファンが多いんでしょうか…。そしてダブルA面のもう1曲『道化師のソネット』。誰もが耳にしたことのある、さだまさしさんの名曲をカバーされていますね。
A.この曲は、歌われているテーマに心を打たれ、どうしても歌ってみたくなったんです。さださんの事務所に直接お電話して許可をいただきました。誰かのために生きていくこと、例えば僕にとって歌うこととは?そんな問いへのアンサーソングのようにも聞こえてきたんです。

Q.さだまさしさんの曲としてあまりにも有名な『道化師のソネット』ですが、見事に千綿さんのカラーになっていますね。ライブでは優しい歌声に癒されて聴き入っている姿を見かけました。千綿さんの歌声を関西で聞ける機会は、次はいつごろになるのでしょうか?
A.関西では夏ごろに何かできればいいなと思っています。決定次第、ホームページにアップしますので、是非チェックしてください!

☆意外!少年時代は悪さばかり、高所・侠所が苦手

<Afterインタビュー>
やわらかい物腰で、優しい印象の千綿偉功さん。でも語りだすと、とっても熱い方でした!こちらの質問1つ1つに対して、真剣に気持ちを伝えようとしてくださって、インタビューの時間が足りなくなる程でした。もっとお話を聞きたかったのですが、残念ながらタイムアップ。

ご本人もおっしゃっていましたが、『beginning』は本当に素直な気持ちが歌われているんだなぁと感じました。多くの人が感じたことのあるであろう、毎日の生活の中でふと目的を見失う瞬間や、「何のために頑張っているんだろう?」という小さな疑問に心を占領されたとき…。この『beginning』を是非聴いてもらいたいです。同じ疑問にぶつかり、その中から歩くべき道を見つけ出した千綿さんの素直な歌詞と優しい歌声がきっとみなさんを励ましてくれると思います!

ここで少しだけ、こぼれ話を。。。
佐賀ご出身の千綿さん。ふるさと佐賀の風物詩、佐賀インターナショナルバルーンフェスタ(※アジア最大級の国際的熱気球フェスティバル)を教えていただいたのですが、「熱気球に乗ってみたい!」と騒ぐ私達インタビュアーに対して、「えっ、怖くないですか?僕は高いところと狭いところが苦手なんで…」とポロリ。意外でした。他にも、子供の頃はジュリーやおニャンコクラブが好きで、勉強もせずに悪さばっかりする少年だったとか。こちらも意外でした!
それでは最後に、千綿さんからのメッセージ(歌ってくださってます!)を動画でお楽しみ下さい!

メッセージ

 

(インタビュアー 児玉幸子、杉浦加代 2008/2/28)