何気なくもらっているお給料。しかし、明細書をよく見ると「これって何?」ということがいっぱいあります。社会保険料や税金が引かれて手取りは減ります。各項目別に疑問を解明していきます。
先回は、法律で定められている時間外労働に対する割増賃金の計算方法についてお話しました。
さて、先回の続きになりますが、みなさんの仕事はいつも定時で終わっていますか?中には(いやほとんどの方かもしれませんが)、毎日ほぼ残業しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういった月々あまり繁閑の差が無く時間外労働をすることがほぼ常態化しているといる会社では、あらかじめ残業代を固定額で支払うという方法をとっている場合があります。
具体的には「残業手当」として支給されている会社もあれば、「職務手当」や「営業手当」会社で別の名称を付けて、毎月だいたい○○時間残業するだろうということを見込んで毎月一定の額を支給しています。
ただ、こうして割増賃金を固定額で支払う場合においては、会社は就業規則等で明記するなど労働者に周知しておくことが必要だとされています。「残業手当」として支給されている場合はともかく、別名称で支給されている場合は、労働者の側からすれば極めて分かりにくいですからね。
また、鋭い読者の方はすでに疑問に思われるかもしれませんが、月に30時間くらい残業をすると見込んで固定の残業手当を支払われている会社で、もし、結果的に15時間残業しなかった場合、もしくは逆に40時間残業した場合にはどうなるのでしょう?
結果的に15時間しか残業しなかったときは、支払われている残業手当の額は変わりません。つまり、固定の残業手当の方が多いときは何も問題がないということです。
しかし、もし、通常より忙しくて40時間残業をしなければいけなかったときは、簡単に言えば、足らずの時間外労働した部分である10時間分の割増賃金の残業代が発生します。
正確には、先回の計算式で計算して法定の割増賃金額から固定額で支払われている残業手当を引いた不足分を皆さんの側から言えば、請求できることになります。
いわゆるサービス残業というのは、以前より日本の労働問題として取り上げられてきました。労働基準監督署も適切な割増賃金の支払いや長時間労働の削減努力に関する指導を強化してきた結果、多くの企業がいろいろな改善策や対策をするようになりました。
とはいえ、まだまだ根深い問題でもありますし、国として新たな法律を作ろうかという動きも見られます。働く者にとっては、身近な問題です。こちらも皆さんに関心をもって見守ってもらいたいですね。
櫻井 了子
社会保険労務士、 2 級 FP 技能士 28 歳、大阪生まれ
社会保険労務士行政書士 関昇事務所 勤務
http://www.seki-office.com
趣味は、野球観戦(虎党)です。昨年は、 15 試合くらい甲子園に行きました。野球シーズンが始まると、応援と仕事の両立が大変です。