何気なくもらっているお給料。しかし、明細書をよく見ると「これって何?」ということがいっぱいあります。社会保険料や税金が引かれて手取りは減ります。各項目別に疑問を解明していきます。
先回までで、給与および賞与から社会保険料など控除される項目についてお話してきました。ただ、皆さんの中には、他にも控除されているという項目があるよという方もおられるでしょう。
これまで中心にお話してきた社会保険料や税金というのは、法定控除項目といい、法律で控除することが義務付けられているものです。
それに対して、その他のもの、例えば、社内預金や社宅寮費、福利厚生の施設の利用費などについては、会社と労働者の過半数で組織する労働組合(組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者)との文書による労使協定があってはじめて控除することが認められます。
また、労働組合費も労使協定があれば、給与から控除されるもののひとつです。さて、皆さんの給与の控除項目で、「組合費」や「ユニオン」という項目はないでしょうか?この労働組合費、給与明細を見て初めて控除されていることを知った、もしくは、自分が組合員であることを知ったという方はいませんか?私は、以前の勤めていた会社で実に後者の経験をしたことがあるのですが…
日本で組織される労働組合の多くは、ユニオンショップ協定といって、労働者は必ず労働組合に加入しなければならないという協定を会社と結んでいます。その場合、組合費を組合員(労働者)の給料から会社が天引きして組合に渡す(一般的にチェック・オフと呼ばれます)という協定も結んでいることがほとんどです。
ですから、会社に採用されて、自動的に組合員となり、気付かないうちに毎月組合費を納めているということがあるのですね。
このいわゆるチェック・オフに関しては、労働者が組合費の負担感を実感しにくく、組合活動に対しての労働者の監視が薄れ組合の腐敗を招くなどの問題点が指摘される一方、このしくみが日本の労働組合の育成を支えてきたという側面もあります。
労使協定によって控除される項目は、会社によって異なります。具体的内容については、皆さんの会社の就業規則や賃金規程で確認できます。自身の経験から、特に今回、組合費について取り上げましたが、みなさんがご自身の明細を見直したら、「何これ?」というような項目があるかもしれませんね。
櫻井 了子
社会保険労務士、 2 級 FP 技能士 28 歳、大阪生まれ
社会保険労務士行政書士 関昇事務所 勤務
http://www.seki-office.com
趣味は、野球観戦(虎党)です。昨年は、 15 試合くらい甲子園に行きました。野球シーズンが始まると、応援と仕事の両立が大変です。