"たこりん"は、犬が好き、猫が好き、動物が大好きな愛玩動物飼養管理士1級の資格を持つペットライター。文章だけでなく、写真に収めたいと、3年前からはペットカメラマンとしても活動しています。そんな彼女が、愛するペットたちのちょっといい話から泣ける話、しつけの仕方などを、徒然に書いていきます。

補助犬って知っていますか?

さよならシンシア

今年の 3 月 14 日、介助犬のシンシアが 12 歳で亡くなりました。彼女の死は多くのマスコミでも取り上げられ、多くの人がその死を悲しみました。シンシアは日本で最も有名な介助犬ともいえるでしょう。

  昨年の 12 月に介助犬としての引退式を行い、後輩のエルザに仕事を譲り、ユーザーである木村佳友さんのペットとしての余生を送り始めてから間もない死でした。まるで、大仕事を終えて「あとはよろしくね」って走り去ったかのようです。

 シンシアはラブラドールの女の子。もともと、事故で車椅子生活を余儀なくされた木村さんのペットとして生後 50 日でやってきました。でもそのやんちゃぶりから、訓練のためにと預けた訓練所で介助犬としての才能が見出されたのです。
  そして 1996 年、日本で 3 頭目の介助犬としての認定を受けました。

身体障害者補助犬法

10 年前でたった 3 頭、現在でも日本で認定されている介助犬は 30 頭しかいません。もっとも多い盲導犬ですら約 900 頭。聴導犬に至っては 10 頭です。

 これらの盲導犬、介助犬、聴導犬を「補助犬」といいます。補助犬は 2003 年 10 月 1 日に施行された「身体障害者補助犬法」によって「公共施設・交通機関、不特定多数の人が利用する施設などは、補助犬の同伴を拒んではならない」と制定されています。ただ、この条文には「ただし、身体障害者補助犬の同伴により当該施設に著しい損害が発生するおそれがある場合などはこの限りではない。」という条文も付け加えられているためか、拒否するところも多いようです。

そうでなくても、補助犬の頭数からいって、日常、彼らに出会う確立は非常に低いので、一般の人々の補助犬に対する理解はまだまだ浸透していません。入店拒否などよくあることだとユーザーの方からも聞いたことがあります。

私たちにできること

そんな中、映画になった盲導犬「クイール」や介助犬の「シンシア」は補助犬がどういう犬で、どのような役割を果たしているのかを多くの人にアピールする役割を担ってくれました。シンシアもドラマ化されテレビで放映されたのです。そのドラマが追悼番組として 5 月 1 日の夜中ですが、再放送されるそうです。

 補助犬たちは仕事中、ハーネスを付けています。そのときは、決して犬に触ったり、犬に直接、声をかけることはしないでください。ただし、ユーザーの方が困っていたら積極的に声をかけてサポートしてあげてください。

 ある盲導犬のユーザーの方に話しを聞く機会があり、私が「どうしたらいいかわからない」というと「そんなときは聞いてください。助けてほしいときはお願いしますから」っておっしゃったのです。そうなんです。特に、目の不自由な方にとって、盲導犬には判断できないことがいっぱいあるのです。素直に声をかけるだけでいいのです。

 その話しを聞いてから、たまたま電車のなかで出会った盲導犬ユーザーの方が席が空いているのに立ったままでいるところに遭遇しました。みんな黙っています。勇気をだして「席が空いていますよ」と手を引いて案内したら「ありがとうございます」とその人は席に座り、盲導犬もさっと、足の下にもぐりこんで休憩体制に入ることができました。電車に乗って立ったままだと、人も犬もとても不安定だったのです。

 介助犬だって、聴導犬だってスーパードッグではありません。それぞれ厳しい訓練を受けて認定されていますが、周りの人々の理解や気遣いがあってこそ、活躍できるのです。

深い愛情でつながる絆

盲導犬のパディシンシアがまだ介助犬になったばかりの頃、私が所属していた団体のイベントにデモンストレーションにやってきてくれました。まだ失敗をしてしまうこともあり、木村さんも苦笑いするという場面が今でも目に焼きついています。そして、ハーネスを外したとたん、走り回り、おてんばな性格をみせてくれました。

 補助犬たちは人のために働かされてかわいそうだという人もいます。私も夏の暑い日、真冬の寒い日も外にでて、我慢しなきゃいけないこともいっぱいあって、かわいそうだと思うこともありました。
  でもその分、ユーザーの方は深い愛情を持って接している方がほとんどです。自分の分身のようなのです。それだけにシンシアを亡くした木村さんの悲しみがどれだけ大きいか…。

「ほとんど苦しむことなく、眠るように息を引き取ったのが救いです」という HP に書かれた木村さんのことばに心中があらわれています。補助犬ということばに興味をもたれたら、まず、理解することから始めてくださいね。

シンシアの公式 HP は http://homepage3.nifty.com/cynthia/ です。ドラマの再放送の日程なども紹介されています。

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